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相続した土地や建物を借りる権利はどうなるの?

2022.04.25 Mon

 

 父が亡くなって相続した財産に、人から借りている建物がありました。また、土地は無償で借りていたようです。これらの土地建物はどうなるのでしょうか?

 借地権や借家権は、相続財産として遺産分割の対象となります。また、相続税の課税対象でもあります。遺産分割における評価額と相続税の課税対象財産としての評価額とは異なることがあります。なお、無償で借りている土地(使用借権)は遺産分割や課税対象とはなりません。

 

◇土地建物を借りる権利の種類

 

 他人の土地を使用する権利を一般的に賃借権もしくは地上権といいます。このうち建物所有を目的とする地上権または土地の賃借権を「借地権」といいます(借地借家法2条1号)。

 また、他人の建物を借りる権利(賃借権)を一般的に「借家権」といいます。

 さらに、他人の土地建物を無償で使用する場合、このような権利を「使用借権」といいます(民法593条)。

 それでは、「借地権」、「借家権」、「使用借権」について詳しく見ていきましょう。

 

◇借地権

  

 借地権は、当然に遺産分割の対象となります。遺産分割の際の評価額ですが、原則は相続開始時ですが、相続人間で合意出来れば、どのような評価を用いても構いません。ただ、一般的には、相続税課税価格を参考にして評価額を決定する例が多いように思います。なお、評価額について相続人間の合意が整わなければ、遺産分割調停や審判で決定することになります。

 借地権は、原則として相続税課税の対象となります。例外として、借地権設定の対価として権利金その他の一時金を支払うなどの借地権の取引慣行(借地権慣行)がない地域にある借地権については課税対象外となりますが、そのような借地権は多くはありません(財産評価基本通達27ただし書)。

 借地権の評価については国税庁のホームページ(No.4611 借地権の評価)を参照して下さい。

 

◇借家権

 借家権ももちろん遺産分割の対象となります。評価額の決定方法は借地権の場合と同じため割愛いたします。

 借家権も相続税課税対象となります。その評価額の計算式は次のとおりです(財産評価基本通達94)。

  

 

(注1)借家権割合:各国税局長が定め、財産評価基準書に明示されています。殆どの地域が30%です。

(注2)賃借割合:(被相続人が賃借していた床面積の合計)÷当該家屋の床面積の合計

  

 

◇使用借権

  

 使用借権は被相続人の死亡によってその効力を失います(民法599条)。そのため、遺産分割の対象には通常なりません。

 ただし、相続人の遺産分割協議で決することは出来きませんが、諸般の事情を考慮して、不動産所有者と特定の相続人等の間で新たな使用貸借関係が発生したと解釈できる場合があるようです。なお、相続税課税の関係では、使用貸借にかかる不動産を相続人が承継し、引き続き使用貸借関係が継続した場合でも、相続税が課税されることはありません。

 

 

 

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