相続で有価証券はどのように扱われるの?
2022.05.02 Mon
相続した財産の中に株式、国債、投資信託がありました。これらの有価証券は相続手続きではどのような扱いになるのでしょうか?
◇遺産分割協議は必要か?
被相続人が保有していた有価証券は、遺産分割協議が必要になります。その評価方法に決まりはなく、遺産分割時の時価を用いても構いませんし、相続人全員が合意すればどのように定めても問題ありません。ただ、一般的には相続税課税の際の評価額を基準にすることが多いと思います(後述します)。
評価額について、相続人全員の合意が得られない場合は、最終的には遺産分割調停や審判で決定することになります。
◇相続税課税との関係
有価証券は相続税課税の対象になる財産です。その評価は、遺産分割の時の評価とは異なり、相続人が自由に決める事は出来ず、評価方法が詳細に定められています(財産評価基本通達8章)。
①株式等の評価
株式等については、(1)上場株式、(2)気配相場等のある株式、(3)取引相場等のない株式など、種類ごとにその評価方法が定められています(財産評価基本通達168以下)。
市場で時価評価可能な有価証券は評価しやすいですが、普段取引がされていない非上場株式などの評価はかなり複雑です。
上場株式の場合は、原則として、被相続人が死亡した日の金融商品取引所が公表する最終価格で評価します。なお、その最終価格と次の①~③の3つの価額のうち最も低い価額を比較して、①~③のうちの最も低い価額の方が最終価格より低い場合は、その最も低い価額で評価することになります(財産評価基本通達169)。
①被相続人死亡の月の毎日の最終価格の平均額
②被相続人死亡の月の前月の毎日の最終価格の平均額
③被相続人死亡の月の前々月の毎日の最終価格の平均額
②個人向け国債の評価
個人向け国債は、下記の計算式に従って評価します(財産評価基本通達197-2・同198・同199)。
③投資信託の評価
投資信託の評価方法は下記のとおりに評価します(財産評価基本通達198・同199)。
(1)中期国債ファンドやMMFなどの日々決算型の投資信託
(2)上場投資信託
(3)その他の投資信託について
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