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相続した不動産(土地・建物)はどのように扱われるの?

2022.04.24 Sun

 

 

  

 相続した財産の中に不動産がありました。その不動産の中には人に貸しているものや担保(抵当権・根抵当権)が付いているものがあります。相続の時にどのように扱われるのでしょうか。

 

 不動産(土地・建物)は、相続財産として遺産分割の対象となりますし、相続財産として相続税の課税対象となる財産です。ただ、評価額については、遺産分割における評価額と課税対象財産としての評価額が異なる場合があります。

  

◇遺産分割の際の評価額

 

 

 不動産(土地・建物)は、当然に遺産分割の対象となります。遺産分割の際の評価額は、相続開始の時の時価が原則となります。ただ、相続人間で合意していればどのような評価でも問題はありません。一般的には、固定資産評価額や不動産業者の簡易査定の評価額を用いることが多いと思います。なお、評価額について相続人間の合意が整わない場合は、遺産分割調停や審判で決定されることになります。

 

 

◇相続税法上の評価額

  

  不動産(土地・建物)の評価額は時価(相続税法22条)とされていますが、その評価方法は通達で決められています(財産評価基本通達2章・3章)。遺産分割の時とは異なり、相続人間で合意した評価額という訳にはいきません。

 では、どのように評価していくのかというと、土地については、路線価または、評価倍率(固定資産税評価額)での評価が基本となります。これらについて、国税庁のホームページより取得出来る財産評価基準書(路線価図・評価倍率表)から基本となる評価額を調査します。

 なお、小規模宅地等の特例の活用により大きく評価減となる事もあります。詳細は、国税庁のホームページで確認して下さい。(No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例))

 また、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地についても、開発時につぶれ地が不可逆的に発生してしまうことを考慮して、大幅な評価減が認められることがあります(財産評価基本通達24-4)

一方、建物については、固定資産税評価額の評価額が基本となります(財産評価基本通達89)。

 

 

◇不動産を貸している場合の評価額

 

 不動産(土地・建物)を貸している場合も、遺産分割の対象財産となること、相続税課税対象となる点に異なるところはありません。

 ただ、賃借権の負担があるので、自用地よりも相続税課税価額が減額となります。詳細は国税庁のホームページに掲載されていますので参照して下さい(No.4613 貸宅地の評価

 

◇不動産に担保権が設定されている場合の評価額

 

 不動産(土地・建物)に(根)抵当権や質権がついている場合でも、その土地が遺産分割の対象となること、相続税課税対象となる点に異なるところはありません。ただし、担保が設定されている不動産については、被担保債権額(もしくは残債務額)を差し引いた金額が相続人間が遺産分割をする際の実質的な価値となりますが、相続税課税との関係では評価額に影響はなく、担保の設定されていない不動産と同様の評価額となります。

 被担保債権が被相続人自身の債務であれば、遺産分割との関係では法定相続分に応じて当然に分割されます。相続税課税との関係では、課税価格から差し引かれる形で考慮されます。

 なお、相続債務を遺産分割で複数いる相続人のうち1人に負担させるとう内容の遺産分割協議は可能ですが、その遺産分割の内容は相続人間では有効ですが、債権者に対しては対抗することはできません(法定相続分で支払う義務があります)。 

 一方で、不動産を第三者の債務の保証として物上保証している場合、被担保債権が被相続人自身の債務ではない場合は、当該被担保債権はそもそも相続の対象ではないため、遺産分割との関係でも、相続税課税との関係でも、影響はありません(相続税課税の際に被担保債権額が課税価格から差し引かれることもありません)。

 

 ※税務については、お近くの税務署や税理士の先生に必ずご確認下さい。

 

 

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