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円滑な事業承継のために家族信託を活用する方法(経営権留保)

2022.05.08 Sun

 

 事業承継を進めていく中で、「株式は全部渡したいけど、会社の経営権はまだ全部渡したくない」と考えているオーナー社長は意外に多い様に思います。ただ、そう言っているといつまでも事業承継が進まず、もし社長が亡くなってしまったり、認知症になってしまったら事業承継どころではありません。会社の経営そのものが揺らいでしまい兼ねません。

「株式は全て渡すけど、経営権は留保する」という要望に応えることが家族信託を用いれば可能です。事例を見ていきながらご説明していきます。

 

事例

 

◇家族信託の内容

 

 

 

 この家族信託の契約によって、自社株式の名義は、受託者である長男に変更されます。そのため、議決権行使(会社の経営)は長男が原則行うことになります。ただ、完全に後継者には任せられないというニーズに応えるために指図権者を設定します。この指図権者については、信託法上に規定はありませんが、信託業法に規定があります。通常の指図権者が居ない信託では、受託者の判断で信託財産の管理処分を行っていきます。今回でいうところの議決権行使がそれです。それに対して、この指図権者を設定することで、指図権を有する者が信託財産とする自社株式の議決権行使などの具体的な内容や方法を受託者に対して指図することが出来ます。受託者である長男は、指図権者である父の指図に従い信託財産の管理処分(議決権行使など)を行います。

 このスキームを用いることで、信託設定当初の長男を後継者として育成中は、指図権者であるオーナー社長の指図に従い受託者である長男が経営を行いながら育成をし、成長して任せられる段階になったところで受託者単独の判断で経営を行うという事が実現できます。また、万が一この間にオーナー社長が認知症になって指図権行使が出来なくなったとしても、受託者である長男は単独で経営を行うことが可能です。なお、父が死亡した時は、信託は終了し受託者である長男に自社株式の完全な所有権が移転することになります。

 

 苫小牧の家族信託のご相談は、司法書士法人アンドリーガルにお任せ下さい。あなたに合った信託契約をご提案致します。

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