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養子は実子と同じ様に相続できるの?

2022.04.11 Mon

   

 

 養子縁組をした養子は、法律上は血族と同じく扱われます。そのため、相続権もあり相続分も実子と同じです。養子縁組によって養親の戸籍に入ることになりますが、実親との血族関係は失われないので、実親が亡くなったときも、実子として相続権と相続分があります。

 

 

◇養子縁組について

 

  養子は、養子縁組の日から養親の嫡出子たる身分を取得します(民法809条)。

 そのため、法律上、養子は、実子と全くかわらない地位を取得します。

 なお、養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組の2種類があります。

 

 

①普通養子縁組

 一般的な養子縁組のことで、皆さんがおそらく耳にしている養子縁組の殆どはこちらの養子縁組の事です。普通養子縁組では、養親と養子の間に新たな親子関係が生じますが、実親との関係も消滅しません。そのため、養子は養親が死亡したときに法定相続人となるだけではなく、実親が死亡したときにも相続人となります。また、養子となった子が先に亡くなってしまい、親が相続人となる場合(第二順位の相続人)は、養親も実親と同じく法定相続人となります。このとき、法定相続分は養親・実親でかわりはありません。

②特別養子縁組

 特別養子縁組とは、原則として15歳未満の未成年者の福祉の為に特に必要があると認められるときに家庭裁判所に審判を請求し認められた時に成立する養子縁組の事をいいます。養子縁組されると未成年者とその実親側との法律上の親族関係は消滅します。そのため、法律上は実親との関係は他人同然となり、互いに先ほどの普通養子縁組のときのように相続人とはなりません。

 

◇養子の法定相続分 

 

 

 第一順位の「子」の地位で相続人となったときの法定相続分は実子と同じ割合になります。養子だから実子より相続分が少ないということはありません。

第一順位の相続の図

   

 第三順位の「兄弟姉妹」の地位で相続人となったときの法定相続分も、実の兄弟姉妹と同じ割合です。

第三順位の相続の図

 

 ただし、夫婦の一方だけの養子とその夫婦の実子が兄弟姉妹の地位で共同相続人となる場合には、養子の相続分は実子の相続分の2分の1となります(昭和32年6月27日民事甲第1119号回答)。

父とのみ養子縁組していた図

  

 

◇養子が養親より先に死亡した場合の相続(代襲相続)

  

 代襲相続とは、亡くなった親よりも先に相続人となる子が亡くなっている場合、その子(孫)が代わりに相続する事です。養子縁組した場合の代襲相続はどうなっているのかみていきましょう。

 

 ①養子縁組に生まれた養子の子は、代襲相続人になります。

 ②養子縁組に生まれた養子の子は、代襲相続人にはなりません。

 

 

 

 

 

 なぜ、この様な結論になるかというと、子のある者を養子にした場合、養親の相続資格が発生するのは、養子縁組をしたときからであるため(民法809条)、その養子の子(養子の連れ子)と、養親との間に法律上の血族関係が生じないためこの様な取り扱いとなっています。

 

◇実質的な親子関係での相続

 養子縁組は、婚姻と同様に、届出によってその効力を生じます(民法799条・同739条)。そのため、当事者間で養子縁組届が出されていないと、たとえ親子同然の生活を送っていても、たがいに相続人となることは出来ません。届出をしたかどうか自信が無い場合は、一度ご自身の戸籍を取得して確認してみる事をお勧めいたします。

 

 

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