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そもそも相続財産ってなに?

2022.04.22 Fri

 

 相続財産は、有形無形を問わずに相続開始時に亡くなった人(被相続人)の全ての財産が対象になります(一部例外もあります)。また、遺産分割のしなければならない相続財産と、相続税の課税対象となる相続財産では相違があります。詳しく見ていきましょう。

 

◇「相続財産」について

 

①原則

 相続人は、相続開始時から被相続人の財産に関する一切の権利義務を承継します(民法896条)。また、相続税は、相続または遺贈により取得した財産について課税されます(相続税法11条)。そのため、相続開始時に被相続人の財産に属した経済的価値のある全ての財産が相続財産としての遺産分割の対象となります。また、この財産について、相続税が課税されるのが原則となります。

②例外

 相続開始時に被相続人の財産に属した財産でも、遺産分割の対象とならない財産があります。また、遺産分割の対象と相続税の課税対象も常に一致するわけではなく、相続税法特有の課税される財産、課税されない財産とがあります。

(1)祭祀財産

 

  

 系譜・祭具・墳墓などの祖先祭祀のための財産については、遺産分割の対象とはなりません。これらは慣習に則って祖先の祭祀を主催すべき者が承継することになります(民法897条)。

(2)可分債権

 

  

 被相続人が有していた他人に貸していた金銭(貸金債権)や会社を経営していた場合は、役員借入金(役員から会社に貸していたお金)、個人事業主であった時は、売掛金などは遺産分割の対象とならない可分債権となります。可分債権に該当すれば、遺産分割をすることなく法定相続分で各相続人が取得する事が出来ます。相続財産でもっとも多いのが預貯金ですが、預貯金は可分債権ではありません。もっとも、平成28年の最高裁判所の判例変更以前は、預貯金は可分債権とされ、遺産分割をすることなく法定相続分で取得出来るとされていました。

 

◇相続税法上の課税財産

①みなし相続財産

 

 みなし相続財産とは、相続や遺贈で取得したものではない財産ではあるが、実質的に相続で取得した財産と同じとみなして、相続税が課税される財産の事をさします(相続税法3条)。生命保険金や死亡退職金などが対象となります。ただ、これらの財産には非課税枠が設けられていますので、全額が課税対象となるわけではありません。

 

②相続時精算課税の適用を受けている財産

 

 被相続人の生前に相続時精算課税を利用して贈与を受けている場合は、その贈与を受けた財産は課税財産に加算されることになっています。

 

③死亡3年以内に贈与された財産

 

 相続税は、被相続人の生前に蓄積した財産に対して、死亡時に課税する税金です。そのため、生前に贈与を繰り返すことによって相続税自体の課税対象額を減らしていくことが可能です。そのため、死亡間際に駆け込み的に生前贈与されることによって課税対象額が減少するのを防ぐために死亡3年以内に贈与された財産については、相続税の対象となることとなっています(相続税法19条)。

 ただし、贈与を受けた時点で既に支払い済みの贈与税額は、相続税の計算上控除されることになっています(贈与財産の加算と税額控除

  

◇相続税法上の非課税財産

 

 相続や遺贈により取得した財産でも、様々な政策的観点から非課税財産とされる財産があります(相続税法12条・租税特別措置法70条1項)。

 

①墓地、墓石、仏壇、仏壇、仏具、日常礼拝の用に供している物(投資対象の商品などはのぞきます)

②宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の者が相続や遺贈により取得した財産で公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

③地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある者または、その者を扶養する者が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付を受ける権利

④相続や遺贈によって取得した財産で相続税の申告期限までに国または地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄付したもの、あるいは、相続や遺贈によって取得した金銭で、相続税の申告期限までに特定の公益信託や信託財産とするてまに支出したもの

 

 

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